パッシブ設備住宅と基礎2017年09月18日

7月後半頃からの仕事が重なり過ぎてしまい、
もつれ合ったまま、あっという間に8月を通過、9月に入ってしまいました。

現在は3階建て住宅や2階建て長期優良住宅などの対応が続いてます。
その中で、少し気になる事柄があります。

最近、室内の温湿環境を機材を使って積極的に循環させるタイプの住宅を取り扱う機会が増えてます。
私もこうしたパッシブ設備は大いに賛成で、積極的に活用され、さらなる進化を望んでます。

ただ、このような建物は、空気の循環性を非常に重要視するため、
床下部分もエアコンを設置したり、空気の流れが起きやすいことを望まれます。

つまり、基礎立ち上がりを減らして欲しいという要望が上がってきます。
中には、土台は設置するけれど基礎立ち上がりは設けたくない、というリクエストまで。

ちょっと待ってくださいね。基礎と土台はワンセットです。
基礎に繋げなければ、それは土台と呼びません。大引きです。
土台下がすかすかで、全て束立てで支持されている・・
土台には建物の重量が全てかかっているんですよ?怖くないですか?
設備先行で建物を考えてしまうと陥ってしまう落とし穴のような気がしてます。

現在ほとんどの住宅はベタ基礎なので、スラブ部分で持たせることになりますが、地盤の地耐力が弱いとき、あまり広い範囲を支持することができません。

スラブの支持範囲は、基礎梁や基礎立ち上がりで決まってくるため、
そこから土台の設置範囲が決まってくることがあります。
好きなように土台と大引きを選択できる・・というわけではないので
プランを決めるときは、構造設計者とよく打合せしていただきたいですね。

意匠・構造・設備をバランスよく取り入れる能力が求められているなと思う今日この頃です。

木造物件の基礎と地耐力2017年09月22日

最近は木造物件でも住宅クラスから規模が大きいものまで、地盤調査を行うのがスタンダードになってきました。

そして、地盤改良の方法も色々な構法が見受けられるようになってます。
ところが、最近少し気になる事例が挙がってきてます。

地盤が弱い→改良計画 で作成される改良計画書。
改良会社さんに見積含めて出してもらっています。
その計画書の中で、なぜか必要地耐力が15kn/㎡で計算されているのです。

なぜ15kn/㎡なのか。
改良会社の担当者の回答は
「小規模建築物基礎設計指針」P82から建物荷重の数値を参照した
でした。
・・あの、同じ本のP97に
ベタ基礎の場合の必要地耐力の数値が載ってますが・・
20kn/㎡です。15じゃ足りません・・!

ただ、この計算方法が何物件も挙がってきます。
どうも、同じ会社なのか、同じ構法の系列会社のような感じがします。

どこかで間違って採用されて施工されてしまうかもしれないし、
その会社は一度きちんと本全体を読んでください。
今のご時勢、施工後でも杭長不足でやり直しとか起きてますよ。

白川郷2017年09月24日

毎年恒例のお彼岸の墓参り。
お墓は郡上八幡ですが、特に縁戚もないので、周辺観光して帰ってきます。
今年はもう少し足を延ばして、白川郷へ行くことにしました。

お墓参りを済ませたら、道の駅やまとで足湯でリフレッシュして、
10時のおやつに鮎の塩焼きを食べて出発。

途中の御母衣湖ダムがなかなか圧巻。
感動を共有したいのに、息子のスリープモード解除できず。
御母衣ダムパークがよい休憩場所でした。

さて肝心な白川郷ですが、村営駐車場に入る前に、食事処の呼び込みに応じて駐車&食事。食べたら車を置いて観光してOKというのは、こちらにもありがたい。
そのまますぐ有料の野外博物館「民家園」に入ったのですが、
私的に、この施設はすごい!と感動しました。

なんといっても、建物と風景を合わせて一つの景色が作られてます。
これって・・相当計算して建物を配置させてあるし、園内のランドスケープもかなり計算されてる!

日本じゃないみたいです。北欧みたいな。


これも絶対計算されてる。


このしっとり感・・


バックの山まで取り込んで・・すごすぎる。

園内は人が少なく、写真取り放題。建物もじっくり見学できます。
手入れもきちんとなされ、スタッフの人がさりげなく園内を見回ってます。
子供向けに、ちょっと遊べる遊具がさりげなく配置されていて、
ちょっとはしゃぎたい気分も発散できます。
息子は奥の栗の木で、栗拾いをこっそりと楽しませてもらいました。

後で分かったのですが、メインの観光エリアは、圧倒的な観光客でごった返しでした。
写真を撮ろうにも、人が写りこまずに取るのはほとんど不可能。
通常の村の暮らしとの共存で、当たり前ですが現代の生活様式が出てます。
それこそが世俗感だけど、せっかくならちょっと幻想的な世界も見たい。
民家園は、そんな我がまま心を満足させてくれました。

さて、番外編として
帰りに秘境の大白川温泉(露天風呂)に向かったのですが、いきなり道路が超ワイルドに。
ここは宮崎県の山の中か!というような幅狭の道。あちこち崩れてます。
片や吹き付けの岩がせり出し、川側にはガードレールが無い。
助手席の息子が悲鳴をあげてました。まあ宮崎でかなり鍛えてありますから。
10k30分でようやく到着すると、「調整のため休業」の看板。
息子に「お母さんがフラグ立てるから~!」と責められました。
確かに途中で「これでお休みだったら笑えるね~」と言ってしまった(笑)

リベンジは無いかもしれません(笑)
素直に大通り沿いのしらみず温泉に入って帰って来ました。
白川郷、奥が深いです。また来たいと思います。